オーガニックの制度には世界統一基準はありません。
オーガニック食品を生産する国は独自の有機農業制度を策定して品質の証明を世界中に求められます。
シンプルにオーガニックの基準を理解するために日本とヨーロッパのオーガニック制度を比較してみましょう。
たとえば、
日本のオーガニック制度は政府の希望で決められています。そのため日本の大多数の人はオーガニックの意味を知りません。そして多くの市民は政府の行動を不思議だとは思っていません。
ヨーロッパのオーガニック制度は市民の希望で決められています。そのためヨーロッパ委員会は人の健康を守るためにオーガニック制度の強化をおこないます。ヨーロッパ諸国の市民はオーガニックが健康を維持するために不可欠な食材として認識しています。
この記事を書いている私はオーガニック農業歴5年、有機JAS有機農産物生産行程管理を2年間担当してます。
日本のオーガニックの価値 ヨーロッパのオーガニックの価値
日本はオーガニックの価値を市場主導で決定します。
多くの人はオーガニック食品は数ある商品のうちの一つとして認識しています。
日本のオーガニックはビジネスの成長によって発展します。
ヨーロッパ委員会はオーガニックの価値を市民主導で決定します。
多くの人にとってオーガニック野菜は健康レベルを向上させるために不可欠な食材であると認識しています。
ヨーロッパのオーガニックは健康を守り持続させるという市民の意思が発展させます。
オーガニック農地の規模
日本のオーガニック農地の規模は農地全体の0.2%です。
ヨーロッパのほとんどの国は日本より面積が小さいですが各国のオーガニック農地の平均規模は農地全体の7%です。そして急速に規模を拡大しています。
日本のオーガニック制度 ヨーロッパのオーガニック制度
農林水産省による日本独自のオーガニック制度
日本のオーガニック制度の特徴
日本のオーガニック制度はコーデックスガイドラインをよりどころにして策定されていますがすべての基準は満たしていません。
日本独自のオーガニック制度
日本 農林水産省 オーガニックマーク 有機JAS ロゴマーク
出典 農林水産省
日本 農林水産省による有機JAS制度(2000年~)
有機JAS規格マークは日本農林規格 有機食品によって有機認証をしていることを示しています
オーガニック基準
有機農産物の栽培に使用する原材料においてオーガニック成分の割合を算出する認証はしていません。有機認証基準の同等性を認める国はあります。
EU(欧州連合) 欧州委員会によるヨーロッパ独自のオーガニック制度
ヨーロッパのオーガニック制度の特徴
オーガニック食品や製品に対する消費者の信頼を守ることを策定の基準にしています。
オーガニック食品の品質を向上させるための厳格な制度として、人、多様な生物、そして地球の健康を守ることを表明しています。
ヨーロッパ独自のオーガニック制度
ヨーロッパ 欧州委員会 オーガニックマーク ユーロリーフ
出典 欧州委員会
EU(欧州連合) 欧州委員会 農業・農村開発総局によるEU有機農業規則制度(1991年~)
ユーロリーフは 欧州連合と自然の融合の象徴でEU有機農業規則に準拠することを示しています。
オーガニック基準
原材料の95%以上がオーガニック成分で作られている農産物や加工食品であることを認証しています。
日本とヨーロッパ それぞれが使用するオーガニックの原材料
オーガニック農産物の原材料は生産するための最も重要な資材です。
使用する資材リストをみればオーガニック食品の品質がわかります。
日本が使用するオーガニック食品の原材料
日本のオーガニック制度では遺伝子組み換え生物を原材料とした動物性肥料を無制限に使用することを認めています。
日本で飼育されるほとんどの牛と豚は亜鉛や銅を添加された遺伝子組み換え飼料を食べさせられています。
その排せつ物は肥料としてオーガニック農産物に使用することが認められています。
使用量に定めはなく無制限にオーガニック農地に投入することができます。
重金属、硝酸態窒素、遺伝子組み換え物質は地球や多様な生物の健康に影響を与えています。
日本で遺伝子組み換え由来の肥料が生産される理由
日本はオーガニックによる畜産の生産活動の規模はほぼ0%です。
日本のほとんどの畜産の形態は工業的畜産です。
この畜産形態の特徴は牛や豚を食品にする生産効率を最大化することです。
この管理体制での牛、豚、鶏には移動できる面積はありません。
その環境の中で与えられていることは食べることと寝ることだけです。
この状況では遺伝子組み換えによって生産された飼料を食べないと生命を維持することは困難です。
農林水産消費安全技術センターFAMICは「動物福祉の観点からオーガニック飼料がないからといって飼料を与えなければ動物は死んでしまいます」と伝えています。
動物性肥料は農産物を肥大化させる性質があるため主要な肥料として使用されています。
動物の排せつ物は完全に発酵させることは難しく農地に投入すると使用量に関係なく野菜や地球に腐敗ダメージを与えます。
ヨーロッパが使用するオーガニックの原材料
ヨーロッパのオーガニック制度では遺伝子操作や遺伝子組み換え生物から生産された原材料や資材は使用しません。
化学物質によって合成された資材を禁止しています。
オーガニックの生産規模は小さく資源は限られていて原材料は不足することもあります。
そのようなときは生産者たちはお互いに助け合います。保管してある資材を分け合って生産活動を継続します。お互いに足りない資材を補い合うことでオーガニック農業を発展させています。
動物性肥料はオーガニックの原材料によって生産された製品のみ使用を認めています。
使用量によって地球と多様な生物に腐敗ダメージを与えて健康レベルを低下させます。そのため年間の使用量は制限されています。
コーデックス委員会とヨーロッパは動物性肥料に禁止物質が混入してもオーガニック資材として使用することを許可しています。それはアクシデントによって少量の化学物質が混入した場合です。多量に化学物質が混入している資材を使用することは禁止されています。
日本とヨーロッパ それぞれが使用するオーガニックの農薬
日本のオーガニック制度で認められている農薬
日本のオーガニック農業で使用が認められている農薬は39種類あります。
化学物質農薬と天然成分農薬があります。
天然成分農薬であっても製造過程で化学成分を含む可能性があります。
39種類の農薬は企業によって様々な農薬製品に開発されます。
これらの農薬の使用が認められているのは日本のオーガニック農業だけです。
オーガニックの生産者たちは農薬を使用するかしないか選択することができます。
農薬を全く使用しない生産者は無農薬の野菜を生産します。
化学物質農薬を使用する生産者は化学物質を吸収している野菜を生産します。
どちらも同じ有機JAS野菜として販売されます。
有機JAS野菜は成分の品質にランクは付けられていないので農薬野菜も無農薬野菜も区別することはできません。
日本のオーガニック制度で使用を認められている農薬の種類
出典 有機農産物の日本農林規格
日本のオーガニック制度で使用を認められている資材(化学物質製品を含んでいます)
出典 有機JAS資材評価評議会
農林水産省による農薬の説明
地球の内部に化学物質が蓄積して汚染されていきます。
人の体内でも同じような状況は起こる可能性があります。
人や農産物、そして土の中の多様な生物も一つの共同体として地球を構成する生態系機能です。
農林水産省では農薬は使用基準を守って使用すると安全性は保たれると伝えていますが
北海道でも農薬による毒性ダメージは地球内部に蓄積され続けています
出典 硝酸性・亜硝酸性窒素による地下水の汚染について 北海道
ヨーロッパのオーガニック制度で認められている農薬
ヨーロッパの代表的な有機認証機関 ソイルアソシエーションの基準では化学物質農薬や化学物質肥料の使用を禁止しています。
出典 ソイルアソシエーション
最終的な手段として農薬の使用を認めていますが原材料は数種類の天然由来のハーブのみです。農薬には厳しい管理体制が設けられていて使用が許可されるのは非常事態に限定されています。
農薬の使用を厳しく制限する理由の一つ カクテル効果(複合毒性)
化学物質は生命体に毒性のダメージを与えます。
カクテル効果(複合毒性)とは化学物質が組み合わさることで新たに発生する毒性のことです。
化学農薬は単体で単発的な使用であれば弱い毒性だとしても、様々な化学農薬が混ざり合うほど生命体に与えるダメージは大きくなります。
化学農薬を与えられる野菜は一年ごとに新しい植物に植えかえられますが、使用されたすべての化学農薬は地球に投入されます。
地球は浄化能力がありますが継続的に化学物質を投入するとその機能が追いつかず土の中に蓄積されていきます。
土の中に化学物質が残留していると、さらに繰り返される化学農薬の使用によって地球内部で化学物質のカクテルはされています。
日本と比較するとヨーロッパの化学農薬の使用量はとても少ないです。ヨーロッパのオーガニック制度では人、地球、多様な生物にたいして化学物質の毒性ダメージを与えないと表明しています。
コデックスガイドラインの説明
日本、ヨーロッパ、そしてすべてのオーガニック生産国はコーデックスガイドラインにもとづいてオーガニック制度を策定しています。
世界のオーガニックを管理するコーデックス委員会、
そしてコーデックスガイドラインについて説明します。
コーデックスガイドラインはオーガニックの世界最低基準を示す国際指針
有機的に生産される食品の生産、加工、表示、及び販売に係るガイドライン
出典 コーデックス委員会による有機的に生産される食品の生産、加工、表示、及び販売に係るガイドライン 【PDFファイル形式】
各国政府や民間のオーガニック認証機関が独自のオーガニックルールを策定するためのたたき台でありボーダーラインとなるのがコーデックスガイドラインです。
コーデックスガイドラインは国際連合の専門機関であるFAOとWHOによって運営されています。
国や民間のオーガニック認証機関は独自の制度でオーガニック食品の品質を世界に対して証明します。その制度はオーガニックの価値そのものを決める重要なもので原則としてコーデックスガイドラインの基準を満たす必要があります。
コーデックス委員会はコーデックスガイドラインを基礎とした独自のオーガニック制度を策定して強化し続けることを各国政府に求めています。
コーデックス委員会が各国政府に独自のオーガニック制度の策定を求める理由
オーガニックの中心的な食品は人の主食となる野菜や穀物といった農産物です。
農産物の栽培に影響を与えるのが自然環境です。地域よって農産物の種類や栽培方法に特性があるので生産国に適した制度が必要です。
その国独自の制度は生産するオーガニックの品質を証明する証になります。
品質を証明するのは生産行程であり、その情報は制度に書き示されています。
各国は消費者の健康を守るために輸入されるオーガニック食品の品質を知る必要がありその情報は生産国のオーガニック制度が証明しています。
コーデックス委員会は世界各国に対して次のように要求しています。
コーデックスガイドラインは自国のオーガニック制度を策定するためのアイテムです。
有機農業の目的は人、多様な生物、地球の健康レベルを最適な状態まで向上させること、そして地球の生態系を健康にすることによって生産性を向上させることです。
そのために各国は独自のオーガニック制度を策定し強化をして 地球の環境改善をおこなうこと。
消費者の信頼を維持して、不正行為を防止すること。
コーデックスガイドラインがオーガニックの資材に求める3つ条件
コーデックスガイドランがオーガニック農業の資材に要求するポイントは3つです。
オーガニックで使用する資材は生産地の周辺地域で入手すること外部から入手することを最小限に抑えること
オーガニック農業は地球生態系の機能によって農産物を育てます。オーガニック食品の原材料は地球が育む自然由来のものなので農地の周辺機域で入手できるのです。
外部から入手した資材がオーガニックの基準を満たしているかの見極めには専門性の高い知識を要することがあります。もしオーガニック農地に投入した資材がオーガニックに適合してなかった場合は少なくても3年間はオーガニック農地として使用することができなくなります。
遺伝子操作や遺伝子組み換え生物の使用を禁止する
遺伝子操作や遺伝子組み換え生物によって生産された製品をオーガニック農産物を生産するための原材料として使用することを認めていません。
オーガニック農産物の生産には化学物質の使用を避けること
オーガニックの目的は地球の生態系を未来に持続させるということです。
化学物質は人、多様な生物、地球の生命にダメージを与えます。
そのためオーガニック農産物の栽培には化学農薬や化学肥料の使用は避けることが求められています。
まとめ
ヨーロッパやアメリカでは日本産の食品を食べると健康を失うと言われています。
日本は食品の生産に化学物質や遺伝子組み換え生物を使用します。
そのため海外で販売される日本の食品のパッケージには警告の表示をされています。
生殖機能を低下させる危険性があります。 がんを発病させる危険性がありますと記載されています。
日本人でも化学物質に敏感な化学物質過敏症の方や浄化機能が低い人は毒性の強い食品を食べることを避けます。
そのため日々の食事で継続的に毒性ダメージを受けません。
健康的な食品を食べている人は体調不良になっても原因が特定できないケースや慢性的に完治しないケースになりずらい傾向があります。
体が丈夫な人や浄化機能の高い人であっても健康的な食品を食べ続けると体調が改善することを実感します。
健康レベルを向上させるには健康な食品を食べることが一番効果的です。
毎日の食事の内容を健康的な食品にするだけで継続的に健康レベルを向上させることができます。
これから、健康的な野菜を購入する方法や自給する方法をお伝えします。
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